新種・キホシスズメダイ?(^^;;

僕ら素人は「新種」というと普通は新たに見つかった未知の生物の事を指すのだと思ってしまうけど、実はすでによく知られた生物が「新種」になる事も頻繁に起こる。

先日、発行されたSpecies Diversityという雑誌で、僕らダイバーがよく知っているキホシスズメダイが新種として記載された。
どういう事かというと、日本で見られるキホシスズメダイは1960年に蒲原さんという研究者によって新種として記載され、Chromis flavomaculataという学名とキホシスズメダイという和名がつけられた。

ところが、この時、記載する際に元となった高知県で採取された標本を調べてみると、なんとそれはスズメダイ(学名:Chromis notata)だったのだ。(笑)
つまり当時、蒲原さんは高知県産のスズメダイを見て「新種だ!」と思ってしまい、誤って新たな種類として記載してしまったのだ。
という事でChromis flavomaculataという学名の魚は存在しないことになる。

新種 キホシスズメダイ

新種 キホシスズメダイ

しかし僕らも知っているように、「スズメダイ(学名:Chromis notata)」とはまったく違う「キホシスズメダイ」という魚は確かに存在している。
日本全国どこでも見られて、潮通しの良い中層で大きな群がりをつくる尾鰭が黄色い魚がそれなんだけど(笑)、それを僕らは和名で「キホシスズメダイ」と呼んでいる。
それで今回、この学名がなくなってしまった「キホシスズメダイ」に新たにChromis yamakawaiという学名がつけられ、新種として記載されたのだ。

新種
和名: キホシスズメダイ
学名: Chromis yamakawai, Iwatsubo 2013

もともと魚を和名で呼んでいる僕らダイバーにとってはどうでもいい事なのだけど(笑)、分類学の世界ではこういう事が頻繁に起こる。。。
でも、これも「新種」なのだ。(^^;;

これを調べていく過程でもうひとつ面白いことが分かったようだ。
国内で見られるスズメダイ(学名:Chromis notata)は生息する地域によって、形の違う4タイプが見られるらしい。
日本海側で見られるスズメダイは体高がものすごく低いのに対し、太平洋側で見られるスズメダイは体高がかなり高いのだそうだ。
さらには伊豆諸島で見られるスズメダイはもっともっと体高が高くなり、これは今までスズメダイの亜種として別途ミヤケスズメダイという和名で呼ばれていたほどだ。(今回の研究でミヤケスズメダイは単なる地域変異という事で和名は消滅した)
そして瀬戸内海・東シナ海で見られるスズメダイはその中間的な体高らしく、スズメダイには合計4タイプが見られるらしい。。。

屋久島のスズメダイ

屋久島のスズメダイ

確かに僕のホームグラウンドである屋久島の一湊で見られるスズメダイは伊豆など太平洋側で撮られたタイ焼きみたいな大きなスズメダイとは何か違うなぁ。。。とは思っていたので、ちょっと納得した。(笑)
一湊のスズメダイはものすごく小さいのだ。

それに対して、屋久島の南部では体高の高い大きなスズメダイも見られることから、多分、屋久島には体高の高い太平洋側タイプ(もしくは伊豆諸島タイプ)と中間的な瀬戸内海・東シナ海タイプが存在しているように感じる。

もう一度、そういう目で見比べてみようかな。。。

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